おがきちか『Landreaall 32特装版』

 このシリーズも32冊目かあ。
 国王即位に向けてのスッタモンダが、とりあえず、安定して、新たな展開に。王宮ダンジョン編とでも言ったところか。しかし、DXの学年、アカデミー騎士団編といい、例年と違う動きに巻き込まれまくってるな。


 今巻は、おおよそ三パート。
 国王の戴冠式を支える人々。それぞれの所作・パートを世襲で勤める家系がたくさんあるって、儀式がすぐ絶えそうだけど。現代社会でもそうだけど、安定した家系の再生産は難しいところがある。
 老人の一世一代の見せ場かあ。


 二つ目は、DX、人違いで誘拐される。あげくに、誘拐されたふりを続けるという芸の細かさ。一話目は、周囲の人間からみた、課題を片付けている間の謎の行動といった感じだが、DX視点になった後が素っ頓狂で、楽しい。
 誘拐犯の掌で転がされている感が。あと、最終的にめでたしめでたしで終わるあたりが、おとぎ話っぽい。


 ラストは、王宮地下のダンジョンのお話。毎年、定期的駆除が行われていて、騎士候補生も、比較的安全な地域の巡回を任されるのが慣例。しかし、今年は、整備してこなかった転移門が本格的におかしくなって、騎士候補生たちが、強力なモンスターの前に放り出されることに。カイルでも石化ダメージで脱落って、戦力不足が深刻だな。DX、リド、ライナスと忍者あたり以外では、誰が頼りになるのだろうか。
 メンテナンスなしでずっと放ってあった、ブラックボックスのシステムって、怖いなあ…
 いきなり、ゲートに飛び込むイオン。そして、合流した先では、なぜかDXがいない。何が起きたのか。これで、半年近くまたされるのはつらい。


 あとがきとおまけ冊子はトリクシーとその侍女二人のお話。トリクシーのスポットが当たるのは珍しいなあ。