蝸牛くも『ゴブリンスレイヤー』

 何となく、気になっていた本に手を出す。


 故郷をゴブリンに破壊され、その後、ひたすらゴブリン退治を繰り返してベテランの域に達した「ゴブリンスレイヤー」。ひたすら、ストイックにゴブリン狩りを続ける彼に興味を持つものが、集まって、みたいな感じかな。
 ゴブスレさん、よく考えると、周りに女性が多いな。幼馴染の牛飼いに、冒険者ギルドの受付嬢に、新米の女神官に、エルフに。本人は、ひたすら不器用、あるいは愚直といったキャラクターのようだが。
 最初は、初めての仕事を受けた冒険者のパーティが壊滅して、新米の女神官がゴブリンスレイヤーに助け出されるエピソード。山の廃城に巣食ったゴブリンの群れを潰すエピソード。エルフの森近くのオーガに率いられたゴブリンの群れを撃滅したエピソード。そして、最後は、拠点となっている街の近くに現れたゴブリンの王とその軍勢と戦ったエピソード。ゴブスレさんも、なかなか、怪我が多いなあ。


 結局、ゴブリンがどんな存在か、分からないなあ。ひたすら邪悪な存在と描かれているが、何らかの役割が与えられた存在なのだろうか。とにかく、ひたすらエグイ。このあたり、ソードワールドRPGリプレイの『モンスターたちの交響曲』とは、完全に逆の問題意識という感じだな。
 神とか、勇者が、今後、どのように絡んでくるかも気になる。