Projekt Ost『Bf109T艦上戦闘機の戦歴と空母グラーフ・ツェッペリン』

 表題のBf109Tを中心に、Fw190、ドイツ軍の四発重爆He177グライフ、夜間戦闘機隊などについての文章を集めた同人誌。He177グライフに興味を惹かれたので購入。


 二基のエンジンを結合して、双発機のように見えて、四発のグライフ。エンジンの複雑さなどが災いして、評判は芳しくないが、ドイツ最強の重爆として充分活躍した、と。調べてみると、B-17と同じくらいの大きさ・重量で、スピードは時速100キロくらい速いのか。ポテンシャルは充分あった。しかし、航法が悪くて、あさっての方向にいっただのなんだの、支援設備の貧弱さが、足を引っ張ったという感じか。
 いや、かっこよくて、割と好み。


 最初は表題の通り、ドイツの未成空母グラーフ・ツェッペリンとその艦載機に予定されていたBf109Tのお話。乗るはずの空母がなくなって、あっちいったり、こっちいったり。空母発着用に、主翼を延長した結果、地上機型より扱いやすかった、と。高空では、スピードも負けていなかったのなら、全部、主翼延長やればよかったんじゃねと思わなくもないが。中低空の速度を重視したのかな。北欧の防空を担ったり、終戦前には本土防空に加わったり。大戦後期になっても使われたのは、性能が良かったのか、もう、性能には目をつぶっても数が欲しかったのか。
 ツェッペリン、頑張って作っていれば、空母機動部隊を大西洋に送り出すこともできたのかね。まあ、そこまでやって、どこまで役に立つか、怪しいものがあるけど。


 個人的には、メッサーシュミット109より、こっちが好みなFw190戦闘機の記事。活躍のダイジェストのダイジェスト。地上攻撃型とか、多用途に使われているなあ。
 あとは、夜間戦闘機のお話。地上からの光を利用して敵機を探知する「明るい夜戦」とレーダーなどを使う「暗い夜戦」があるのか。地上の炎を利用するヴェルテ・ザウ作戦が、涙がちょちょぎれる。あとは、夜戦エースのエピソードとか。