熊本市現代美術館「豊田有希写真展 あめつちのことづて/令和2年7月豪雨REBORNプロジェクト」/「CAMKコレクション展 穴・距離」

 奥の二つの展示室で開催されている企画展。
 前者は、芦北町の黒岩地区の人々の生活を追った写真の展示と昨年の豪雨で水損したフィルムのレスキュー活動を紹介するもの。『Reborn』今回、見送ったけど、買っとけばよかったか。

あめつちのことづて

 モノクロ写真だと、時代感覚が混乱するなあ。祭りや農作業など、それだけ、古態を残している感じ。
 芦北町のなかでも天空の集落感が強い場所。しかし、それでも、海からは数キロの場所なんだよな。当然、八代海の魚が入ってきて、住民の半分が水俣病の症状を示している。これで、バックれる日本国…
 海産物の行商なんか、本気で調べれば調べられただろうに。
 そこから、集落に通うようになって、撮りためた写真集。
www.t-ichida.gr.jp
adayasu.hatenablog.com


 また、昨年の球磨川水害で水に浸かった荒瀬、破木、岩坂周辺の1950年代の写真も展示されている。レスキューして、修復作業中の姿が紹介されている。荒瀬ダムの建設中の写真、破木集落のかさ上げの定点写真、西日本製紙坂本工場前でのお祭りの行列あたりが印象深い。旧坂本村には企業城下町的な性格もあったのだな。手前の洋品店が目立ってた。
haradaoffice.biz
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 そういえば、芦北や球磨川流域の地図を見ていて気に掛かったんだけど、この場所なんだろう。地理院地図になんかウニョウニョ道路が表示されていて、なんじゃこりゃと思ったのだが。下に採石場があるようだから、ここも、採石場跡なのかな。


穴・距離

 7点と小規模な展示。「穴」や「距離」を通して、何らかの心象を描いている作品を集めている。宮崎静夫、横山博之、三浦洋一、川島清の4人。三浦洋一の作品は、すごく絵の具を盛り上げて、地層みたいなのを作り出しているのがおもしろい。
 彫刻作品は、川島清「穴のある楕円嚢」の一点。金属と木を使ったテーブルの上に、丸太を半分に割ったっぽい「楕円嚢」が置かれていて、それは工具で穴が開けてあったり、削ってあったり。穴の中に、さらに穴がほじってあるのが、すごく苦手…