くまもと文学・歴史館収蔵品展「アーカイブズにみるくまもと16」

 くまもと文学・歴史館や県立図書館が蓄積してきた資料類を紹介する展示。今回は、「くまもと教育の夜明け」と「球磨の鮎の遊び:生誕100年上村占魚」の二本立て。
 前者は、江戸末期から明治初頭、教育制度の変遷に関連する史料や教科書類の展示。
 本庄田迎両手永の寺子屋をリスト化した史料が興味深い。村々に、寺子屋があって、4-10人程度の子供に教えていた。師匠は、在村の武士とか、武士の家来、手永など村役人級の人々、お寺など。教育の密度や地域の指導者層が密接に関わっている状況など。手習いの教科書や訓導本みたいなのもおもしろい。
 近代にはいって、私塾や藩校での教育から、近代的な学校へと教育制度が変化していく。その端境期に教育を受けた三友雄の履歴書が興味深い。高瀬藩校からジェーンズの熊本洋学校へ。私学や住民の寄付を受けて、小学校が全域に展開していく。「熊本県管内学校位置図」、ガラスケースの距離でさっぱりわからないけど、当時の小学校がどこにあったかを追っていったら、おもしろそう。そして、移動したなら移動した理由も。
 「鴨下輯の巡回日誌」、県下の学校にてこ入れして回った視察の復命書だけど、白川小学校は士族出身の児童が多くて、教師に舐めた態度をとるってのが明治の学級崩壊だなあ。


 後半は、人吉出身で、東京で活躍した俳人、上村占魚の生誕100年に関連した展示。句幅、短冊、まくりなど直筆のものが多い。いや、ほぼ現代の人だけに、字が読みやすいわあ。変体仮名も草書体もない。
 俳句はよく分からない。
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