まつりか『婚約者に側妃として利用されるくらいなら魔術師様の褒賞となります』

 単行本サイズも持っていたけど、文庫落ちしたので購入。置いとくなら、コンパクトな方がありがたい。


 王妃教育の励んでいたアメリアは、ある日呼び出されて、恋人ができたから側妃になって実務を支えて欲しいと王太子に言われてしまう。そのふざけた提案を、穏便に断るために、異国から来て「英雄」と讃えられるようになった魔術師に褒賞として自分を望むように持ちかける。
 そこから、アメリアさんが口説くモードだけど、慣れてないアメリアが戸惑いまくって。
 というか、数日でロワール陥落して、執着しまくってるなあ。そもそも、婚約解消してない段階でペッティングしまくりという。
 で、予定通りに祝勝会の場で褒賞となって、ついでにロワールが魔法大国の王子であることも明かして、そのままお持ち帰り。


 後半は、番外編や後日談。
 魔力が高い魔術師ほど、周囲の人々の魔力酔いが酷く、結婚ができない。その最右翼であるロワールが外国で嫁さん持ち帰りしたということで大騒ぎ。アンド、アメリアの母国が魔術師の憧れの国に。実際、ウェブ版では彼女できない系魔術師が次々と嫁取りに成功している訳で…
 あとは、アメリアの母国で王家の求心力激減とか。
 後日談は、同盟国の代表が集まる夜会でのお話。未練たらたらな王太子がすがってきたり、まねっこ女の愚痴を聞かされたり。というか、ごちゃごちゃ言ってくる貴族をあっさり黙らせたり、アメリアさん強い。
 そして、大魔力が必要な土地を授けられて公爵夫妻に。
 つーか、ヤンデレを黙らせる包容力がすごいなあ。


 文庫版書き下ろし、幼いロワールをかまいまくる魔術師塔の魔術師たちが微笑ましい。