藍杜雫『皇帝陛下のスキャンダル☆ベイビー:逃亡するはずが甘く捕まえられました』

 シークレットベイビー物。この手のは、広告の試し読みでマンガを見た後で、原作を買ってるパターンが多い。『悪女(と誤解される私)が腹黒王太子様の愛され妻になりそうです!?』とかも。


 辺境伯の総領姫で、寺院騎士団で修行していたヒロイン、ルイスは、夜会があった夜、部屋を訪れた皇太子ジェラルドと一線を越える。しかし、翌朝、媚薬を飲まされたらしきジェラルドは、そのことを覚えていなかった。さらに、一夜の契りで妊娠したルイスは、子供が政治的問題になることを恐れ、騎士団を去ることを結団する。


 それから一年半後、親戚の家で子育てをしていたルイス。しかし、そこにジェラルドが突然訪れる。父皇帝の急死で皇帝位に就く彼には、女性嫌悪で萎えてしまうという弱点があり、唯一、彼と子をなせるルイスに、皇后になるよう命令する。あれよあれよという間に帝都に連れてこられることに。


 そこから、ジェラルドの祖母、皇太后、後太皇太后との軋轢、戴冠式と結婚式に向けたあれこれ、息子エドワードが狙われる事件と次々といろいろあって。後半は、エドワードがジェラルドの息子であることが言い出せず、グルグルするルイスさんと、架空の夫に嫉妬しまくるジェラルドで、微妙に話が進まない感じはある。


 そして、最後は狙われたエディと、前王弟フィリップの皇帝暗殺の暴露。そして、やっと、エディがジェラルドの実子であることが確定しておしまい。