熊本市現代美術館「遠距離現在 Universal / Remote」

 分かったような、分からないような。資本主義のやり口やネットワーク社会を批評的に表現した作品を展示するという理解でいいのかな。おもしろいと言えばおもしろいけど…
 なんか、気分が急いているときには、映像系の表現作品はめちゃくちゃ相性が悪い感じ。
 あと、結局写真撮ってないな。


 トレヴァー・パグレンの作品が多い感じか。
 生成AIを二つ、画像を生成するAIとそれの真偽を判断するAIのやり取りで生成された画像を展示する「敵対的に進化した幻覚」シリーズ、こう、人間ではこういうのは作れないだろうなあ…
 あとは、海底通信ケーブルを撮った「上陸地点」シリーズと「海底ケーブル」シリーズ、盗聴されまくってんだなあというか、海底ケーブルの上陸地点にしては変哲のないビーチだなというか。


 井田大介の作品は映像作品が三作。火を使った作品が多いな。
 携帯コンロを並べてその上を紙飛行機が舞い続ける「誰が為に鐘は鳴る」、銅像をひたすらバーナーで焼続ける「Fever」、火が付いた気球が上がっていく「イカロス」。つーか、最後の作品、地上はともかく、上がってからの部分は合成だよね。燃えてる気球をそのまま放つなんてことはしてないよな。最悪、人がいる所に燃えてる気球が落ちてくるなんてことはやってないんだよな…


 ティナ・エングホフの作品は、デンマーク孤独死した人の部屋を撮影した「心当たりあるご親族へ」、荒れたここで無くなったんだなという感じの部屋もあれば、外で事故や病死した人の部屋などがあって、印象深い。あと、ロイヤルコペンハーゲンのクリスマスプレートを壁に貼り付けている人多いのだな。
 社会的に孤立した人が多いのを、自立した人々と考えるか、孤立した社会と考えるべきか。


 エヴァン・ロスの作品は、パソコンのキャッシュに蓄積された画像を部屋全体に並べ立てたインスタレーション。思いもしない画像が残っている、と。


 木浦奈津子の作品は、抽象的風景画という感じかな。それを、会場ごとに独自の並べ方をするインスタレーション、と。