書評:日本の「ゲイ」とエイズ―コミュニティ・国家・アイデンティティ [著]新ケ江章友 - 内澤旬子(文筆家・イラストレーター) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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 エイズをめぐる言説の歴史と、疫学政策に対するかかわりを追求した本らしい。エイズってのは、社会の偏見をものすごくはっきりと映し出す病気なんだよな。当事者からのアクションか。
 しかしまあ、未だに金や手間がかかる病気だし、感染を防げればそれに越したことはないんじゃなかろうか。

「私の視点:学習院大学教授(政治学方法論)福元健太郎:失われた選挙記録 様式を統一し、永久保存を」『朝日新聞』13/7/5

 選挙の記録が消えている。私がそのことに気づいたのは、現憲法下における全市町村の選挙がいつ行なわれたかを調べている最中であった。選挙の時期くらい総務省に尋ねればわかると思っていたのだが、実は総務省はおろか、ほとんどの都道府県選管、多くの市町村において、昔になるほど市町村選挙の資料が残っていなかった。日付すらわからないのだから誰が立候補して何票得たかなどわからないわけで、大いに驚いた。
 このようなことが起きるのは、公職選挙法施行令で選挙記録の保存期間が首長や議員の任期とされているからだろうが、それにもまして過去の選挙に国も自治体も関心がないからだろう。
 拍車をかけたのが、市町村合併である。昭和の大合併前の旧市町村の資料は、文書管理がきちんとできていないと、その所在がわかる職員の退職とともに散逸していった。平成の大合併で消えた市町村の文書も、選挙記録に限らず、今まさに同じ運命をたどろうとしていると言ってよい。
 昔の選挙などどうでもよいと思われるかもしれないが、実はここには現在の地方政治に直結する二つの問題がある。
 一つは、極端に言えば、過去の首長や議員が選挙で勝った確かな証拠はない、ということである。従って当然に、彼らがなした政策決定も、ひいてはそうした過去の行政の上に積み重ねられてきている今日の行政も、民主的正統性が保証されないということだ。
 もうひとつは、中央集権が指摘されることが多いが、それは政策決定に関する話で、こと政策執行については不必要なまでに地方分権が進んでいるということだ。選挙記録に限らず、いろいろな政策分野で見受けられる問題である。地域の実情に応じて政策内容を変えるのは望ましいことだが、選挙の記録をどうつけるかを場所によって変える必然性は全くない。
 これは日本だけの話ではない。例えば米国では、2000年の大統領選で一部の投票方式に欠陥があることが明らかになって以来、選挙事務に関する研究が精力的に進められた結果、全米の選挙記録がまちまちの様式であちこちの行政機関に散在していることが問題視されるようになってきた。そこで提言されたことの一つは、選挙の情報を統一の様式で記録し収集することであった。
 そこで私は二つ提言したい。第一に、選挙記録の保存期間を永久保存とすること。第二に、選挙記録は様式を全国で統一し、一ヵ所で保存することである。これによって地方政治の民主的基盤が整備されることを期待したい。

 選挙記録の消滅の問題点。確かに、いつ行なわれたかも、誰がどのような得票をしたかもわからない選挙では、確実に民主的な選挙が行なわれたかどうかわからないわな。それは正統性の問題にはなりうる。つーか、いつどこで選挙が行なわれたのかわからないってすごいな。その首長や議員の任期が過ぎたら廃棄とか。

「ファミコン発売から30周年:ブーム再考の出版相次ぐ」『熊日新聞』13/7/8

 今年で発売30周年を迎えた家庭用テレビゲーム機ファミリーコンピュータファミコン)」。世界で6千万台以上のヒットとなり、子どもたちの遊びの文化を大きく変えた伝説的ゲーム機について、再考する本が相次いで刊行されている。
 「ファミコンとその時代」(NTT出版・2730円)は、ファミコン史の決定版ともいえる一冊。任天堂ファミコンの開発責任者を務めた上村雅之さんが著者の一人に名を連ね、当時の貴重な資料や証言を駆使しながら、開発前史や北米進出の経緯などを克明に描いている。
 ブーム当時は母親層を中心に「ゲーム中毒」への懸念や批判が強かった。だが本書は、その1980年代にファミコンと出合い、デジタル機器の操作に慣れ親しんだ世代が、携帯電話やモバイル端末の先導的消費者となり、情報系ビジネスの裾野を広げていったと指摘する。
 一方、多根清史さんらフリーライター3人が手がけた「超ファミコン」(太田出版・1260円)は、「ゲームはいまだファミコンを超えてはいない!!」という刺激的なコピーを掲げ、懐かしの名作から、駄作を意味する「クソゲー」まで約100本のゲームを、郷愁の思いを込めて徹底紹介している。
 近年は、家庭用テレビゲームよりも、スマートフォン(多機能携帯電話)のゲームアプリの方が人気を集めている。世界中の人とネットで手軽につながるソーシャル・ネットワーキング・サービスSNS)機能も昔はなかった。
 だが人気ゲームの骨格はすでにファミコン時代にできあがっていたことが本書を読むと分かる。今より機能がはるかに低かったからこそ、その限界に挑戦したシンプルな面白さが生まれたといえるだろう。

 ファミコンの歴史に関する本二冊の紹介。

「「熊本を州都に」また減少:22%知事の熱意に“反比例”:13年県民アンケート」『熊日新聞』13/8/15

 県が毎年実施している県民アンケートで、道州制が導入された場合に「熊本が州都になってほしい」という県民の割合が、調査開始から3年連続で減っている。2013年の結果は22.2%。「州都」は蒲島郁夫知事肝いりの政策テーマだが、県民への浸透は進んでいないようだ。


 蒲島知事は初当選した08年の知事選マニフェストで「州都を目指す」と訴えるなど、当初から道州制の実現と「州都誘致」に意欲的だった。
 2期目が始まった12年度には、学識者らの意見を聞く「くまもと未来会議」で州都をテーマに議論、同年度末に「州都構想」を策定。州都実現に向け、「熊本と九州各地を結ぶ」「熊本を全国、世界に開く」をキーワードに、県が今後取り組む施策を盛り込んでいる。
 一方、10年以降の県民アンケート(対象1500人)で「州都」構想について尋ねたところ、「熊本が州都になってほしい」と回答する割合は初回の51.4%から、11年41.0%、12年32.7%、13年22.2%と年々減少。10、11、12年は3割前後だった「『州都』についてよく知らないので、わからない」が13年は44.1%と初めて4割を超えた。
 また、12年アンケートから設けた「州都に期待することは何ですか」という質問では、「わからない」が初回の28.1%から13年は35.6%に増えた。知事が熱を入れる度合いに“反比例”している格好だ。
 県企画課は、道州制導入に前向きだった第1次安倍晋三内閣(06年9月‐07年9月)時代から調査時点の今年5月まで、国政レベルでの議論が低調だったことが影響していると分析。これに加え、第2次安倍内閣道州制推進姿勢に全国町村会などが反対しており、「どう判断すればいいか分からない県民が増えてきているためではないか」とみる。
 7日に開かれた県政運営基本方針「新4ヵ年戦略」を検証する委員会では、委員の1人が「州都になるメリットが何なのか、もっと丁寧に県民と一緒に議論するべきだ」と指摘する場面もあった。
 県民アンケート結果やこうした指摘を受け、県企画課は「州都構想の理解を進めるため、県民参加型のシンポジウムなどを検討したい」と話している。 (福山聡一郎)

 そもそも、道州制そのものに反対。この種の制度いじりはもううんざり。地方側にはメリットないだろう。交渉相手が減る中央にメリットがあるだけ。
 一方で、道州制が導入される場合、州都をもって来れないと、都市経済的に厳しいだろうな。ただでさえ支店経済なのに、その支店がなくなってしまうと。ただでさえ、福岡に持っていかれ気味なのに。まあ、九州の州都を決める場合、福岡・熊本・鹿児島の西側の三大都市は外される可能性が高いように思うが。東西の交通の便の良い鳥栖あたりが州都になるんじゃないかねと思っている。

「サルモネラ症で注意喚起:ペットのカメ 感染源に:厚労省」『熊日新聞』13/9/6

 カメに触れたことを原因とする「サルモネラ症」の集団発生が米国で相次いでいるとして、厚生労働省はこのほど、ペットとして飼われているミドリガメなど、爬虫類の取り扱いについて注意を喚起するよう都道府県などに要請した。
 サルモネラ症は、サルモネラ菌に汚染された食品を食べたり、手や指に付着したサルモネラ菌が口に入ったりして引き起こされる感染症。通常は8‐48時間の潜伏期間を経て発症し、急性胃腸炎による食中毒症状が現われる。まれに菌血症や敗血症、髄膜炎などを起こして重症化し、死亡することもある。特に免疫力の低い新生児や乳児、高齢者は注意が必要だ。
 厚労省によると、米国では2011年5月からこれまでに8件の集団発生があり、計391人の患者が報告された。患者の29%が入院したが、死亡者はいない。患者の70%は、発症前にカメとの接触があったことが確認されているという。
 もともとカメなどの爬虫類は、50‐90%がサルモネラ菌を持っているとされ、国内でも毎年のように爬虫類から感染した患者が発生している。特に米国から輸入され、ペットショップなどでミドリガメの名称で販売されているミシシッピアカミミガメは、多くのケースで感染源となっている。
 厚労省は、感染を予防するため(1)カメなどを触った後はせっけんを使って十分に手洗い(2)飼育水にはふん便とともに排せつされた菌が多量に含まれている可能性があるため、排水で周囲が汚染されないように注意(3)子どもや高齢者、免疫機能が低下した人がいる家庭では飼育を控える‐などを呼び掛けている。

 ミドリガメやばい。こういう罠もあるとは。本当に動物の輸入は危険だな。

【圧倒的歴史】「閉店します。357年間ありがとうございました」京都の老舗和菓子店の張り紙が話題に!!!! - Togetterまとめ

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 うーむ、歴史の割りに無造作なのがなんとも。しかしまあ、昔ながらの飴は、今のご時勢生き残っていくのが難しそうな商品ではある…

めいろま ?@May_Romaさんを中心として介護の実態を語る経験者達 - Togetterまとめ

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 いや、冗談抜きに複数の人間のマンパワーを吸い尽くすからな。独りで介護しなければならないとか、死亡フラグ。何がきついって、生活が自分のペースでできなくなるってことなんだよな。寝る前に様子を見に行ったら、ひっくり返っているとかざらにあったしな。金もかかれば、手間もかかるという。金で何とかしようと思うと、ものすごくかかるだろう。
 介護しながら自営業は難しいだろうな。忙しい時に、家族の体調が悪くなったりしそうだし。介護でキャリアがお終いというのは、まったくその通りだろうな。私は母の補助をしていただけなので、一番きついことはしていないが、それでも祖父を送った後は虚脱状態だったな。
 冗談抜きに金がない人は病人ごと死ぬで…