「危険な病原体研究2つの施設:動かぬまま20年:地元「不安」、さびつく装置」『朝日新聞』2008.3.14、22面

 日本国内のBSL(バイオ・セーフティー・レベル)4施設が、建設されたが稼動しないまま20年放置されたままの状態であることをレポート。東京都村山市国立感染症研究所村山庁舎と茨城県つくば市理化学研究所の二箇所が存在するが、地元の反発・協定などで利用できない状況。

 昨年6月、稼動の条件がさらに厳しくなった。感染症法が改正され、BSL4施設を動かすには、厚生労働相の指定が新たに必要になった。
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 しかし、厚労省結核感染症課の担当者は「住民の理解が得られるに至っていない」。指定の見通しはまったく立っていない。

 やる気ねーな。

 過去10年間に感染研に持ち込まれた患者の検体のうち、レベル4の「疑いがある例」は28例あった。幸運にもレベル4ではなかったが、宮村達男所長は「薄氷を踏む思いでここまできた」と話す。



 安全保障の観点からこのレベルの施設の稼動は急務だろう。新型インフルエンザもこのレベルになるのでは? 海外に検査を以来した場合、すばやい対応は難しくなる。安全保障に関心のある人間は積極的に動くべき。
 ただ、住民が多い土地にこの手の施設を建設した立地の選択も疑問ではある。海外のレベル4施設はどのような場所に立地しているのだろうか。日本では人里はなれた場所を探すのは難しいだろうが、島だの埋立地だのという選択肢はありうるわけで。


メモ:
今回の狂犬病事例から今後の感染症対策を考える
バイオ施設規制の立法化を急げ
バイオハザードは防げるか?
わが国のフィロウイルス感染症(マールブルグ病とエボラ出血熱)の検査システム