「飛び続けるために:天草エア就航10年 下」『熊日新聞』10/4/2

 そろそろ機体の更新時期に入ってきたという話。現用のDHC-8-q100はいつの間にやら、生産中止になっている。どうも、2008年に生産中止になっているらしい。で、代替機を同機種の中古を買うか、新造のATR42を買うかで悩んでいるらしい。機種転換に伴う費用を考えると同機種にした方がいいのは確かなのだろうけど、中古機を一機だけというのは、整備費や安定運航の点から不安があるなあ。

 県交通対策総室によると、滑走路が短い天草空港での運航、現有機並の輸送力を基準とすると、更新機種は現有機種とATR42(フランス製)が該当する。現有機種は製造中止で、中古機(5-10億円)しかなく整備費は高め。ATRは整備費は軽減されるものの、20億円と高価で、パイロットや整備士の移行訓練に多額の費用が必要となる。



 そもそも、天草エアラインって、生存可能な企業だったのかが疑問。その上、初期投資をケチったら、どうしようもないわな。官民一体、空港もそれ向きに整備して、観光客を呼び込むしかないわけだが。それでペイするかどうだか。潰すわけにもいかないから、細々と出血しながら続けると…

 天草エアと県、地元3市町でつくる「あり方検討会」は09年3月にまとめた報告書で、予備機を購入しての2機体制は「赤字が拡大」と選択肢から外し、「2、3年の間に現有機材の更新について機種や調達方法の検討が必要」とした。



 ちょっとおもしろいのが冒頭の部分。

 「天草での医師確保に空路の存在は不可欠」苓北町の病院職員(52)は天草エアラインの価値をこう口にする。
 2010年2月の県調査によると、天草地域19病院では福岡市などに住む医師12人が通勤に天草エアを利用していた。企業誘致や観光ツールに加え、地域医療も下支えしており、「絶対になければならない存在」と天草市の安田公寛市長

 まあ、緊急呼び出しも無視できるし、地元との人間関係も避けることができる。いい手ではあるな。給料が高くないとペイしないけど。正直、熊本空港線を廃止して、福岡便だけに集中した方がよくないか。