國重正昭他『チューリップ・ブック：イスラームからオランダへ、人々を魅了した花の文化史』

チューリップ・ブック―イスラームからオランダへ、人々を魅了した花の文化史

　八坂書房主導で編集された本らしい。原種や品種の解説、イスラム世界、オランダと、時代バランスに目配りされているし、図版も多いので、最初に読むならこっちの方がいいかも。
　最初の品種解説はいろいろな花が見れて楽しい。あと、オランダの工芸や装飾、芸術から見たチューリップというのも興味深い。チューリップ・バブルに警鐘を鳴らす目的で出版された、当時の小冊子、『ワールモントとハールフートの対話』の抄訳も興味深いな。最初は威勢が良かったハールフートが、バブルがはじけた後には、なんかため息ばっかりなのが笑える。