アスペルガー症候群の被告が法定刑の上限まで懲役を受けた裁判についてメモ

「受け皿がないから刑務所に長くいてもらおう」という判決について - lessorの日記
判決要旨の言っていることがよくわからない - lessorの日記
「市民感情」を投影した判決? - ベムのメモ帳V3
 個人的に裁判に「市民感覚」が入ることは歓迎するのだが、これはなあ。そもそも、障害者が自己防衛しにくい現状を放置している法曹の「正義感」とか、「公正さ」への感覚がアレなんだよな。検察の求刑からして、相当重いし。知的障害者一般に対する配慮の欠如そのものが問題だと思う。日本の裁判所や検察って、基本的に大日本帝国憲法由来の権威主義的性格が強いよなあ。
 責任能力に関しては、アスペルガー症候群の人間でも当然認められると思う。が、量刑や更生に関しては、配慮されてしかるべきだと思う。症状の程度にもよるけれど、AS者の認知や身ぶり・話し方の特徴を知らないと実際以上に「改悛の情がない」ように見えてしまいやすいので、裁判員裁判に適さないと思う。法廷でフォローはあったんだろうか?って、ブコメの通り、間に立って、解きほぐす役割の人が必要だと思うんだけど。


犯罪は「民族の直感」から判断される - 北沢かえるの働けば自由になる日記

ひきこもりというと、自分の意志で「出ない」と決めたように思われがちだが、実際は自分の意志では「出られない」という状態の人も多い。扉を開けて、外に出る。こんな簡単なことが、なぜ、できないのかと思うが、不安が強く、恐くて、動けない。部屋の中なら、普通に過ごせるのに。
発達障害者は、新しいことや新しい人が苦手なことが多い。慣れた部屋で、不安から逃れられていれば、単調な生活でも満足して過ごせることも多いので。
そりゃ、ひきこもりと関連性は高いだろうなぁと。
責任能力についても、結構、見た目ではまともそうに見えても、本当に、理解しているかは、精査しないと難しいなと思う。彼らは「反省の色がない」とか言われたら、それを大まじめに受け取って、「反省の色って、どんな色なんですか?」と聞きそうだし。その辺、ふざけているのか、まともに言っているのか。聞かれた内容をどの程度理解しているのか。いっしょに暮らしている肉親でも、推し量るのに苦労するからな。

 まあ、能動的にでなくなるのではなく、引きこもりに追い込まれていくというのは確かなんだよな。あと、コミュニケーションギャップの問題も。


姉殺害に求刑超え懲役20年判決 発達障害で「社会秩序のため」 という報道について: kingstone page(新)
 小学5年からって、二次障害も含めてかなり深刻な状況だったんじゃなかろうか。結局、殺人事件を起こして、それでアスペルガー症候群であるってことが判明したわけで。早い段階で、他からの介入が行われていれば違った結果があったかもな。アスペルガー症候群が日本国内で認知されるようになったのが、90年代の末か…
 実際に、互いに精神的な摩擦があったんだろうな。


姉殺人事件,不当な求刑を超える懲役20年判決〜障がい者差別だ!:ソーシャルワーカー原田 和明(A-unit)のブログ

私はこのブログに何度も書いているとおり,広汎性発達障害の人が加害者になる事件の多くは,広汎性発達障害を認知していない本人とご家族や周囲の人というところの問題から起きています.確かに障がい特性による犯行態様はありますが,それイコール広汎性発達障害だから起こすというものではありません.ですので長期間社会から隔離することに意味はないと思います.

 実際、家族内のトラブルの性格が強いようだし、再犯の恐れは平均的なものだと思える。この記事で指摘しているように、長期隔離が意味を持つのか疑問。


発達障害は社会に戻って来るなと、裁判員は言ふ… - うろうろドクター - Yahoo!ブログ
発達障害=再犯の恐れ?????  「実際に、厚生労働省によれば、発達障害だから、アスペルガー症候群だから、犯罪を犯しやすいという統計データはないとのこと。」
『発達障害で求刑超え懲役20年判決 「社会秩序の維持に」』の報道に関してのつぶやき - Togetter
高島章(弁護士)がつぶやく「ナチスにも劣る大阪地裁」 - Togetter じゃあ、もともと知的障害者に対して司法が公正にふるまっていたかは疑問なんだが。