「立田山動物たちの楽園:哺乳類18種 生息を確認:ウサギ、アナグマ、テン、ムササビ、キツネ、タヌキ…:熊本市」『熊日新聞』2012/11/27

 独立行政法人森林総合研究所九州支所」(熊本市中央区黒髪)が、同市の立田山で哺乳類18種の生息を確認した。中九州に生息する哺乳類の約4割に相当し、都市部に残る緑豊かな市民のオアシスは、動物にとっても貴重な“楽園”と分かった。


 調査は2006‐12年。自動撮影カメラや捕獲わなを設置したほか、自然観察を続ける市民団体「立田山自然探検隊」などから目撃情報を聞き取った。
 カメラに撮影されたのは、ニホンノウサギやニホンアナグマ、ニホンテンなど8種。イエネコとイヌは首輪を付けていたケースがあり、飼育されているものとみられる。聞き取り調査ではムササビやキツネなどを確認。ニホンザルとイノシシも目撃されていたが、定住はしていないと判断した。
 中九州3県(熊本、大分、宮崎)に生息する哺乳類49種のうち、18種が立田山で確認できた。このうち、ムササビなど5種は県の絶滅危惧種。ノレンコウモリなど3種は、過去の文献に記載されているため生息種に加えたが、最近は確実な記録が残っていない。
 同支所によると、立田山は戦中から戦後にかけて森林伐採や耕作が進み、1950年代には泰勝寺跡などを除いて草原状態となっていた。このため、現在の生態系は、その後の森林再生に伴って新たに成立したとみられる。
 安田雅俊主任研究員は「都市部の森林に、これだけたくさんの哺乳類がいるのは貴重。豊かな生態系を守っていくことが必要だ」と話している。(久間孝志)

 昨日の『森林飽和』と関連して。立田山も草山状態だったんだな。まあ、都市の近くだし、利用圧は相当強かったんだろう。しかし、60年かそこらで、変わるものだなあ。森になった後しか知らないし。写真やら資料があるのだろうか。


立田山に生息する哺乳類(森林総合研究所九州支所)