熊本市東区桜木のフリーライター、五十嵐ゆりさん(38)が県産地鶏「肥後五鶏」の魅力にひかれて、各地で保存、繁殖に取り組む人々を取材。18日、電子書籍「肥後五鶏もの語り」(500円)を出版した。
肥後五鶏は天草大王、肥後ちゃぼ、久連子鶏、熊本種、地すりの5種。昨年2月、福岡市から移住した五十嵐さんが、初めて見たのは市動植物園。一度絶滅した天草大王や地すりが復元されたことを調べ、衝撃を受けた。
何のつてもないまま県農業研究センターを訪問。研究者の「農家にとって鶏は生活の一部だった」という言葉を聞き、「古くから続く“人と鶏の絆”を伝えたい」と思ったという。
八代市泉町久連子地区の「久連子古代踊り」に尾羽が使われる久連子鶏も取材。同書では伝統文化と鶏の神秘的な関係や、研究に携わる人たちの思いにも迫っている。「肥後ちゃぼ保存会」も監修で協力している。
五十嵐さんは「種の復元や伝統継承など、肥後五鶏の壮大なストーリーにかかわる人々の情熱を感じてほしい」と話している。
インターネットで書名を検索、各電子書籍ストアから入手できる。(堀江利雅)
メモ。おもしろそう。天草大王は歯ごたえがあっておいしい。
地域出版と電子書籍の相性は良さそうだけど、電子書籍はデバイスが必要な分敷居が高いなあ。