宮原るり『恋愛ラボ 8』

 テンパリコ悪化ちう…
 この巻は、体育祭の準備から終わりまで。学ラン着て応援合戦ということで、気になる人から学ランを借りるのですったもんだ。ナギから借りようとするリコさんのテンパリぶりがかわいらしい。マキが男装した「マキオ」を誤解して、嫉妬するナギとか。喧嘩して落ち込むリコとか。最後に借り出すのに成功するときの「匂いが」とか、「あたしに貸すのがイヤなのか」とか。まあ、テンパリつつも微妙に正解を引いているっぽいのがなんとも。46ページの借りるのに成功したときの笑顔とか、48ページの学ランを抱きしめるところがやばいほどかわいい。返すときのやり取りもかわいい。
マキがヤンから借りるときの、微妙なすれ違いも楽しい。マキ×ヤンって、喧嘩友達から恋人にって、ある種の王道パターンではあるよな。
 体育祭本体も、応援合戦に、マキが集めたトンチキ仮装グッズで借り物競争に、かけっこと、定番ではあるが楽しい。マキを中心とした白組の王子演出、エノを中心とした赤組のにゃーにゃーあざとい演出、リコを中心とした黄組のキンキラ演出とバラエティが。エノの「さんさんなにゃ拍子」が萌える。借り物競争で尊敬する人という出題を受けたスズが生徒会の全員を選ぶのもいいな。
 こう、全体にみんなが楽しそうになっていく作品世界がいいなあ。ラストの新聞同好会のエピソードも、また青春ですなあ。