小川一水『こちら郵政省特別配達課 1』

こちら、郵政省特別配達課(1) (新潮文庫nex)

こちら、郵政省特別配達課(1) (新潮文庫nex)

 郵政省が、民間運送会社に対抗すべく、採算度外視でどんなものでも確実に運ぶ「特別配達課」を設立。そこに配属された反骨精神旺盛な主人公、八橋鳳一と、その上司桜田美鳥の活躍を描くお話。
 1999年刊行の作品を、再刊行したものだが、なんか時代を感じるな。そもそも郵政省がなくなって久しいし、宣伝のために採算度外視した事業をやるってのも緊縮財政になれた身には、無理じゃねと言いたくなる。
 まあ、サクサクと楽しく読める本。自宅で死にたいと言う老人のために家をまるごと送ったり、競走馬の輸送の途中で裏賭博のヤクザとやりあったり、某国のスパイが盗み出したプルトニウムの輸送を引き受けてしまったり、雪の中ワクチンを輸送したり。輸送のために、無茶苦茶やっているのが楽しい。輸送のために専用の新幹線とか、オスプレイとかまで備えているという。
 まあ、背後には生臭い権力争いが控えているようで、後半どうなるんだろう。
 二章目の「郵駿」までは読んだ記憶があるが、後半覚えていないな。どうなるんだっけ。


 リアル書店で手に入らなかったので、通販で購入したが、二ヶ月で周囲が削られるのな。なんか、ページが引っ付いてぺりぺりいったり、歪んだりで、読みにくくなるから、嫌なんだけどな。