「大気汚染減り肺の発達改善:米の大学 子どもと環境を調査」『熊日新聞』15/5/27

 米カリフォルニア州で大気汚染が改善したのに伴い、そこで育つ子どもたちの肺機能の発達も良くなったとする調査結果を南カリフォルニア大の研究チームが米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した。
 ロサンゼルスを中心とする同州南部では、過去20年以上にわたって積極的な大気汚染低減策が取られてきたが、子どもの呼吸機能発達との関連が示されたのは初めてだという。
 チームはまず、1994年から2011年までの間に州南部五つの地区で測定された大気汚染データを収集。
 次に、肺の発達に重要な時期とされる11歳から15歳にかけての4年間に子どもの呼吸機能がどう変化したかを、同じ五つの地区で1、94〜98年 2、97〜01年 3、07〜11年―にそれぞれ検査して比較した。検査した子どもは3グループで計2120人に上る。
 大気汚染はこの時期に改善が進み、特に微小粒子状物質「PM2・5」などの低減が顕著だった。
 呼吸機能を肺活量などで評価したところ、4年間の発達の度合いは、生まれた時期が遅く、大気汚染の低減が進んでいたグループ3が一番良かった。この傾向は性別にかかわらず、ぜんそくの有無にも関係がなかった。
 15歳時点で肺機能が通常の80%未満と低い子どもの割合も、グループ1は7.9%だったが、グループ2は6.3%、グループ3は3.6%と汚染の低減とともに減少していた。
 子ども時代に肺が十分に発達しないと、ぜんそくのリスクが高まるほか、肺機能が低い大人は心血管系疾患などが増えると指摘されている。

 ふーむ。大気汚染は割りとはっきりと、子供の呼吸機能の発育に影響すると。
 自動車の汚染物質排出基準を厳しくするのは正義にかなうと。あと、熊本あたりの場合、中国からのPM2.5が困り者だわな。