飯倉洋一編『アプリで学ぶくずし字:くずし字学習支援アプリKuLAの使い方』

 副題の通り、くずし字学習支援アプリKuLAの使い方の紹介をメインとした本。といっても、クーラ自体は、マニュアルが必要なほど複雑なアプリではないような気もするが。


 全体の構成は、以下の通り。

  1. アプリで何ができるのか?
  2. アプリを使いこなそう!
  3. KuLA以外の学習方法は?
  4. オンライン座談会
  5. アプリ活用法&くずし字を学ぶということ

付録『しん板なぞなぞ双六』注釈


 最初の2章は、古文書の基礎知識とか、アプリの使い方の紹介。後ろは、KuLAを利用して何ができるか、どんな意味を持つのかみたいな、ちょっと硬い話。微妙に、緊急出版の寄せ集め感があるな。
 3章のKuLA以外での学習方法で紹介される入門書やアプリ類は有用。あと、ここまでいっていないけど、付録の注釈も便利なんじゃなかろうか。読んでしまうと、学習に影響がありそうなので、ここは避けたが。
 用例が刊本メインなのか。基本思想に「和本リテラシー」があるわけね、このアプリのおかげで目がなれて、近代に書かれた変体仮名の石碑なんかは見やすくなった。しかし、戦国時代の文書なんかには、まるっきり目がついていかなかったのは、そういう理由か。なかなか、全方位隙のないものはできないものだな。