『milsil』Vol.10No.3、2017

 たまには科学雑誌でもということで。ちょっと気になった号を借りてきた。
 この号の特集は、海底に眠るレアアースなどの海底資源のお話。熱水鉱床を「養殖」するという話がおもしろいな。熱水が噴出するところを掘削して、人工的にチムニーを作る。資源開発と言う点では、有用鉱物をたくさん含んだ熱水から、直接目当ての元素を析出されるほうが、効率よさそうに思うけど、そう簡単ではないのだろうな。というか、地上で熱水を採取するするとか、できないのかね。
 どちらにせよ、深海底の資源は採取にコストがかかって、経済的には、モノにならなそう。また、経済的に採取できる技術が開発されたとして、深海生態系への影響評価をどうするかという問題が出てくる。深海生物は再生産能力が著しく低いし。


 平朝彦氏の四万十帯研究から、その生成現場である海底探査への研究テーマの移行の話。海底熱水鉱床マンガンクラスと、レアアース泥の所在を、効率的に突き止める方法。それらがどのように生成されたかの研究。など。
 レアアース泥やマンガンクラストは、長い時間かけて堆積しているだけに、気候や地質的イベントの時系列的な解明に使えそうな気がするが。


 土井ヶ浜遺跡出土人骨の話も興味深い。