鳥羽徹『天才王子の赤字国家再生術2:そうだ、売国しよう』

 前巻とは、うって変わって、王宮内での知恵比べ。後継者問題で揺れる、東側の大国アースワルドとの関係がクローズアップされる。


 新任のアースワルド大使が持ってきたのは、ウェインと皇帝の娘の結婚話。しかも、件の皇女さまは、半ば強引に、ナトラに乗り込んで来る。会って見れば、留学時代の同期。連んで、散々悪さをやった仲間で。つーか、ウェインの周り、訳ありの人間多すぎだな。


 ウェインと皇女ロウェルミナこと、ロワさんの化かし合いが、楽しい。腹に一物なのは分かっていたが、そういう思惑かあ。ラストは、怒濤の展開。
 そして、女帝への名乗りをあげるロワさん。
 途中の、策士策に溺れる系の展開が楽しい。猪突型の登場人物を操ろうと、互いに媚び売りまくりの二人。基本、似たもの同士なんだろうな。


 ウェインの、帝国に国を売りつけるって、先駆者がいるのだな。で、その息子と絡むことになる。


 コメディタッチで、楽に読めるのも、良い。