古代エジプトの一般人の生活水準は劣悪だった、米研究者

 もうなんか、最近アメリカの文系学問の発表って信用できない。資金集めのためのブラフの類としか受け取れないな、この記事も。
だいたい、現在の先進国の人間の生活水準からすれば、どこでも生活水準は劣悪になる。

大人の平均伸長も男性で159センチ、女性で153センチと低かったことがわかったと述べている。

とあるが、前近代でこの身長はそれほど悪い数値ではないのは。19世紀のヨーロッパでも、労働者階級では似たような数値だったはずだし(→『ヨーロッパ人の舌はどう変ったか』ISBN:9784062581233)。この手の数値は、現代とではなく、同時代あるいは歴史を通した比較をしないと数値の意味が読めない。まして、王侯と比べたら当然低くなるだろう。
肉食が多い遊牧民や混合農業の社会と比べると数値は低く出るだろうが、穀物食主体の社会では身長が低くなる傾向がある。ローマ人とゲルマン人の対比がよい例だろう。そのなかでは、それほど悪い数字ではないかも知れん。