「「ジキュウ」第三部食育くまもと2009:共生への道標3:消費者ニーズ;偏る売れ筋 ゆがむ地産地消」『熊日新聞』09/7/25

 おいしい魚でも、知名度や料理法が知られていない魚が売れないという話。また、苓北の地元でも魚をさばける人が減って、内臓を出したり、湯引きや刺身の状態の魚の方が売れること。
 しかし、冷蔵庫が普及する以前の魚の消費を考えると、都市部では特定の魚種しか売られていなかったように見える。また、『西日本庶民交易史の研究』(ISBN:4830512210)では、高度成長期以前の魚の行商では、農家の女性は魚のさばき方を知らず、行商していた漁民の女性がさばいていた旨の記述がある。実際のところ、ある程度加工して売る、調理法が知られていない魚ほどそれが重要ではないか。
 市場を通して丸のままの魚を売るにとどまらず、漁業者自身が加工や流通に目を向ける必要があるのではないか。現在の卸売市場システムそのものが、機能低下しているのではないか。