「地方議会を使いこなそうと呼びかける卯月 慎一さん(58)」『朝日新聞』11/1/21

 議会の仕事って何? 陳情や請願ってどうやればいいの? そんな素朴な疑問に答えながら、議会を使って思いを実現させるノウハウを80ページほどの冊子にまとめた。
 その名も「議会のトリセツ(取扱説明書)」。在住する東京都町田市で知り合ったさまざまな市民運動の仲間たちと発行して1年余りがたつのに版を重ね、各地から講演依頼が相次ぐ。「やはりトリセツが必要なくらい扱いづらい存在なんです」
 仕事はミュージシャンと保険代理業。二十数年前、子どもたちに身近な雑木林を残そうと市の開発計画に反対。陳情に回った議員たちの初印象は最悪だった。まともに話も聞かないで「資料、そこ置いといて」。
 「私たちの代表のはずなのにこりゃなんだ!」。怒りがこみ上げたが思い直した。「嘆いても何も変わらない。使いこなす力を市民は持たなきゃ駄目だ」
 少人数学級の実現、食の安全への配慮、と請願や陳情を繰り返し、話ができる議員もいると分かったころには「勝率」があがった。請願の趣旨が採択され、インターネットでの議会中継も実現させた。
 全国で吹き荒れる議会不要論とは一線を画す。議会不信→定数・報酬の削減という構図は「負のスパイラル」に見えて仕方がない。「議会は生活にかかわる重要なものごとを決めるところ。市民が働きかけ、ハッパをかけないと変わらない。期待しなくなったらおしまいです」
文・神田誠司 写真・林正樹

 『議会のトリセツ』なる冊子が紹介されている。いわゆるところの灰色文献で、一般の流通ルートには乗っていない本のようだ。入手方法も分からないな。発行元の「まちだ市民情報センター」http://www.tim.hi-ho.ne.jp/u-net/index.htmに直接問い合わせるのが、いちばん確実な方法だろうな。