多様な食文化を大切にしてる? - とらねこ日誌

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 はてブのコメでもあるが、『聞き書き日本の食事』を見ると、同じ県内でも主食に違いがあって、実に興味深い。コメは売却されて、都市に集中するから、都市民は米主体だったようだが。江戸で脚気が流行ったのも、精米された米が主食であったからだそうだし。都市民や武士階層は米を常食としていて、それが近代日本のさまざまな所で「常識」として、拡散されていった側面があるのだろうな。
 水田は考古学的にも、古文書からも跡を追いやすいが、それに劣らない畑は検出しにくいだけに、そのあたりの実像が見えにくい。あと、植民地米が流入するまで、コメって収益性の高い商品作物だったんだよな。いつの間にか安くて儲からないものと化しているが。こういう歴史的展開を押さえないと、食に関する議論が歪になる。コメ偏重なんかもそうだが。
 西の小麦粉文化と関東のソバ文化なんていうコントラストもあるな。


 私の家では、三分づき米に五穀雑穀を入れたご飯を主食にしているな。コメが日常のものになって、白米=高級、雑穀=低級といった偏見から、むしろ自由になれたのかもしれない。