タンザニア農民との学び――国家の周縁地で森林保全とエネルギーの関係を考える / 黒崎龍悟 / アフリカ地域研究、近藤史 / 生態人類学 | SYNODOS -シノドス-

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 現金収入のために、薪や木炭として、木材が大量に売られ、森林資源に圧力がかかっているタンザニアで、自然林の荒廃を防ぐために人工林を造成する試みの紹介。住民の企業的活動と技術支援の組み合わせといった感じ。先進的な取り組みを行っている地域を実際に見学して、それを取り入れる。さらに、住民とともに試行錯誤するといった活動なのかね。
 植林した人工林からの収穫で景気が向上しているベナ人や自力で小規模水力発電を行っているパングワ人といった先進的な取り組みから刺激をうけて、移植を試みる。しかし、放牧した家畜が苗木を食べる、野焼きで苗が焼けるなどといった制度的な問題。あるいは、水力発電には、傾斜が足りない。そのような人的・自然的条件を克服していく試行錯誤。目の前の必要と潜在的ニーズを橋渡しする活動と。
 しかし、タンザニア政府のエネルギー政策のアレさが。水力発電を主電力とするため、水源林の保護のため、厳しい森林利用の規制を押し付ける。あるいは、製炭を禁止して、ほかのエネルギー源を確保しないとか。