渡瀬草一郎『空ノ鐘の響く惑星で 3』

空ノ鐘の響く惑星で〈3〉 (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で〈3〉 (電撃文庫)

 レージクが、クーデタで反対勢力を拘束し、王位につく。それに対し、拘束を遁れたラシアンとフェリオは、城を脱出し、ラシアンの領地で反クーデタの軍を起こそうとしていた。と見せかけて、フェリオたちは、ウィスタルや政府要人の救出のために、王都に潜入していた。
 人質救出のために、王宮に潜入するフェリオたち。しかし、それは、レージク側に読まれていた。レージクに協力する暗殺者シズヤの手によって、王妃たちが殺害され、濡れ衣を着せられようとする。辛くも脱出するが、毒に倒れるフェリオ。さらに、追手の衛兵たちに包囲されたところで、ベルナルフォンとロセッティ率いる傭兵隊に救出される。
 一方、全ての神殿を束ね、自らも大国であるウィータ神殿は、タートムによるアルセイフの併合を支援する方向で行動を開始。その背景には、西の大国ラトロワの存在があるようで…


 いや、シズヤさん、ひたすら小憎らしいな。
 イリス一行は、ウィータ神殿のリクルートに応じる。リセリナとシルヴァーナは、再び、フェリオたちと合流。第三王子ブラドーやクラウス・サンクレットなどの主要登場人物も、いよいよ顔を出す。独自に商会を成功させる才子である軍務卿の息子クラウス。最愛の義妹ニナを失い暴走する彼と、それを押し留めようとするベルナルフォンとロセッティ。
 レージクは、王家への敵意とタートムとアルセイフの貧富の格差を見て、タートムと通
じることを決意した。
 実に、異世界戦記物の群像劇という感じになって来たな。