「耕論:くすぶるサマータイム」『朝日新聞』18/10/23

 サマータイムに関して、東京五輪組織委員会会長代行の遠藤利明氏、作家の堺屋太一氏、北大名誉教授本間研一氏の三人からの寄稿を集めている。時々、サマータイムを導入しようとする動きが表面化するけど、誰が、それをやりたいのかねえ。何のメリットもない制度を入れたい勢力が全く見えないのだが…

遠藤利明「遺産として丁寧に検討を」

 サマータイム、暑さ対策には全然意味がないだろう。二酸化炭素排出量にも効果がないと指摘されているし。正直、何のための導入か、さっぱり分からないんだよなあ。
 レガシーとかよく使うけど、導入したら、負の遺産以外の何者でもないよなあ。

堺屋太一「楽しい社会作りこそ大切」

スポーツや買い物に使う時間が増えるという考え方です。しかし、サマータイムで遊びの習慣ができるというのは本末転倒。まずは自由な時間ができた際に楽しく遊べる場を作ることが大切です。

 これは、全くその通りだよなあ。現状だと、「じゃあ、仕事の時間増やして」になるだろうし。
 「会社への帰属」という意識が強すぎて、近隣やその他の社交の空間が消失しつつある。それを復活させる必要がある。そこは確かに。ただ、なんというか、「社交」というものが分からないんだよな。この記事でも、結局、金を出してサービスを買うような話しか出てきていないし。

本間研一「夜型の日本人には適さない」

 ちょっとおもしろい切り口。
 体内時計から、サマータイムの問題を指摘する。ドイツの大規模な調査から、かなり長い間睡眠に影響が残る。交通事故は逆に増える。さらに、ここ50年で夜型化が進んだ日本人へのダメージは大きくなる。
 ただでさえ睡眠に問題を抱えている人間が多いのに、やめとけという論調。
 あとは、個別の論点つぶし。暑さ対策というが、帰宅時間が暑い時間になって、熱中症リスクが高まる。冷房コストが上がり、省エネにならない。心筋梗塞のリスク増大などなど。欠点しかないな。