- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/09/27
- メディア: 新書
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高速鉄道を目指して、20世紀初頭に開発されたジャイロモノレールを、模型で再現した体験談。鉄道のレール一本の上を、ジャイロによる姿勢制御で直立して走る。ロマンすぎる。とはいえ、安定装置が故障したら大事故になりかねないこの種のメカは、やはり、歴史の徒花にしかならなかったと。
20世紀初頭までに開発されていたジャイロモノレールは、その後、忘れ去られ、著者の森氏が再現するまで、闇の中だった。結局、よく理解できなかったが、ジャイロ効果を発揮する回転体を、前後に倒して姿勢を制御するものらしい。直感的には、納得できない感じはある。姿勢制御システムが作動していれば、脱線しても倒れないというのがすごいなあ。意外に機械的なシステムなのもおもしろい。
後半は、模型の実作のお話。試作機が、12台。徐々に実際のものに近づけ、大型化しながら、人が乗れるものを目指しての試験が続いている。やはり、大型になると、ジャイロの不具合が怖いなあ。動画を見ると、なかなか安定している感じではあるが。
最後は、高齢化時代の生き方としての「研究」。探求的生活と言い換えてもいいかもしれない。「Hobby」は単なる趣味ではなく、個人的研究。何らかの探求が重要。それが、人間の幅を広げる、と。
もっとも、その探求を楽しめるのは、人によるのではないかなあ。そういうのが楽しめる気質は、人間共通のものではない。あと、なんか、ハイソ感があるなあ。
そういえば、模型に乗っているフィギュアは、どこのだろう。ねんどいろ?
関連:浮遊工作室(機関車製作部) 著者のサイト。