鳥羽徹『天才王子の赤字国家再生術6:そうだ、売国しよう』

 前巻でソルジェストに勝利して、港の使用権を得たウェイン。しかし、派手に暴れたウェインを警戒して、交易関係を結ぼうという国は現れなかった。長期傭船契約を結んでしまい、コストに苦慮するウェインは、トルチェイラ王女からの提案を受けて、南海の海洋国パトゥーラとの交易関係を結ぶべく、同国に向かう。
 しかし、たどり着いてみれば、いきなり海賊船に襲撃され、ウェインは囚われてしまう。
 パトゥーラでは、「虹の王冠」に魅入られ、追放された、海導の息子レグル・ザリフが、外部の援助を受けて侵攻。父親を倒し、占拠しようとしていた。ウェインは、囚われていた、レグルの弟フェリテを連れて、脱走。パトゥーラの内乱に介入していく。


 人を魅了する魔力を持つ「虹の王冠」がキーアイテムとなって、戦いは深まっていく。というか、途中で景気よく壊しちゃうのがw


 海に愛された天才の兄と、資料をもとに地道な努力を続けてきた弟。正面から戦えば、一気に決着が付いてしまう二人の戦いに、ウェインは弟フェリテの側で参戦。諸勢力を操り、有力者海師をまとめさせる。
 そして、天賦の才と続いてきたザリフ家の記録の力の激突は、記録によって、レグルさえ読めなかった凪によって、フェリテの勝利に終わる。
 まあ、現実には300年くらいの観測記録だと、いまいち当てにならなかったりするんだがな…


 冒頭、海賊に捕まった直後、身代金をつり上げて、ついでに待遇改善もしちゃうウェインの態度が楽しい。そりゃ、妹のフラーニャちゃんに、「一体何をしているのお兄様……!?」と言われちゃうわけだ。


 水着シーンがいいです。銀髪少女に黒水着とか、想像だけで、こう。