現象と災害と被害の規模と〜災害の「規模」を決めるのは?〜 Togetter

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 まあ、「災害」というものが、自然現象と人間社会の変化が複合したもの。人間社会のあり方によって災害の被害は変わる。ってのは、大概の防災や災害関係の入門書でも真っ先に言われることではあるが。
 防災インフラの整備に伴って小規模な災害は無害化することができるようになったし、ある程度のものでも被害をだいぶ軽減できるようになった。それこそ、高度成長以前は水害でものすごい死者が出ていた。現在は、相当の規模の水害でも死者は出なくなった。だが、それが逆に、ある程度以上の規模の災害では逃げ遅れをうむ要因となっている。釜石や田老なんかでは、防波堤が逆に住民の避難を送らせた側面があるし。ただ、現状以上の防災施設の整備は、費用対効果が悪くなるんじゃなかろうか。災害の危険が大きい場所の開発を抑制するとか、そういう対策がとれていればよかったのだが。
 ハードだけではなく、情報や早めの避難、脆弱な場所に人が住まないようにするなどの対応が必要なのではなかろうか。例えば、ここ数年、宮古島や広島の例のように、水害に遭いやすい場所に老人介護施設が立地し、災害弱者が真っ先に災害に遭う状況が見られる。これをどのように政策的に、安全な場所に立地するあるいは、少なくとも被害が出ても死人が出ない程度にするといった方向に誘導するか。そんな政策課題がある。