内藤濯文学碑

 県立図書館の裏側の広場に設置されている。「星の王子さま」の翻訳で有名な人物。なかなか凝った文学碑。これで「ないとう あろう」と読むのか。
 写真では文章が読み取りにくいため、昨年秋から放置していたもの。




石碑正面

いづこかにかすむ宵なりほのぼのと星の
王子の影とかたちと
           内藤濯



台座上段

星の王子さま
   内藤濯文学碑



台座下段

Toutes les grandes personnes ont
d'abord ete des enfants.(Mais peu
d'entre elles s'en souviennent)


Le Petit Prince


Antoine de Saint-Exupery
1900-1944




おとなは、だれも
はじめは子どもだった。
(しかし、そのことを
忘れずにいるおとなは
いくらもいない。)
    サン・テグジュペリ
    「星の王子さま」序文より



台座裏面

内藤濯     明治十六年(一八八三年)七月七日熊本市に生まれる。
医師内藤泰吉の四男。明治四十三年東京帝国大学仏文科卒業後、旧制一高
京商大、昭和女子大の教授を歴任。翻訳家、評論家、エッセイストとし
ても活躍した。翻訳にラシーヌモリエール、ラ・ロシュフーコなど古典
文学から現代文学まで多数あるが、昭和二十八年(一九五三年)翻訳出版
された「星の王子さま」(サン・テグジュペリ作)は名訳とうたわれ、訳
後五十年間で六〇〇万部が発売され永く読み継がれる大ベストセラーと
なった。著書に「フランス近代詩評釈」「実習フランス文典」「未知の人へ
の返書」「星の王子とわたし」などがある。短歌も能くし、「いづこかにか
すむ宵なりほのぼのと星の王子のかげとかたちと」という一首が残されて
いる。昭和五十二年(一九七七年)九月十九日東京で死去。享年九十五歳。
熊本日仏協会は、熊本とフランスとの文化の架け橋となる活動を推進して
いるが、内藤濯先生の生誕百二十年とサン・テグジュペリ没後六十年を期
にその功績を称え、全国の愛読者の浄財を得てここに記念碑を建立する。
                    二〇〇五年十一月二十七日