「うちのイチ押し:栖本まちづくり協議会(天草市):万次郎かぽちゃパイ:特産物活用上品な甘さ」『朝日新聞』11/1/12

 期間限定で、今は作ってないみたい。

 サクサクとしたパイの食感と、口の中に広がる上品な甘さとの絶妙な組み合わせ
―。天草市栖本町の「栖本まちづくり協議会」が手がけた、地元産のカボチャを使ったお菓子「万次郎かぼちゃパイ」が好評だ。
 「万次郎南瓜」はラグビーボールのような形で、重さは約3キロ。収穫してからしばらく置くと、糖度が20度前後に上がって甘みが増す。
 地区では約10年前から「栖本有機農法研究会」が無農薬で栽培し、現在ではメンバーの約10戸の農家が年間7〜8トンを生産。主に東京や大阪の小売店に出荷している。
 この商品が生まれたきっかけは、一昨年末に研究会のメンバーが、虫食いや傷などで出荷ができない規格外のカボチャの有効利用を考えてほしいと、協議会に相談を持ちかけたこと。協議会はこれまでも、地元のカッパ伝説をヒントに天草産の晩柑を使ったようかんをあんこで包むなどした「へのかっぱ巻」など、新商品を開発した実績がある。
 そこで、協議会は以前にも商品開発で協力してもらった天草市太田町の「喜久屋製菓」に依頼。菓子職人の清原砂俊さん(36)が蒸したカボチャを裏ごしし、黄身あんと混ぜ、パイ生地で包んで焼き上げた。
 「試行錯誤の末、何とかカボチャの風味の残る納得のいくお菓子に仕上がった」と清原さん。研究会の吉田保会長(64)は「おいしいお菓子になった。カボチャ作りにも力が入ります」と満足そうだ。
 万次郎かぼちゃパイは1個130円(税込み)で、栖本温泉センターと喜久屋製菓で販売している。3月末までの期間限定。問い合わせは天草市栖本支所(0969・66・3111)へ。(佐藤幸徳