アメリカ情勢メモ

 とりあえず、「記事一覧」にトランプの名前を出ないようにしたい、今日この頃。
 結局、アメリカでも「ビジネス経験」とか、「民間では」とか言う奴はダメなんだな。個人企業では、サイコパスがお山の大将を気取れても、政治という場では様々なブレーキがあると。

真実と嘘とトランプ政権 虚偽は米国の外交政策の基礎になり得ない | JBpress(日本ビジネスプレス)

 確かになあ。「米国政府の信用が音を立てて崩れていく事態にほかならないからだ」とは、全くその通り。
 実際、トランプの政権が公式に表明した事柄の信用度は、ロシアや中国並みになっているよなあ。とはいえ、この記事でも書かれているように、イラク大量破壊兵器が存在しなかった問題で、信用は、落ちまくっていたわけで。あれ、戦争したかったからでしょ。ボカしているけど。
 まあ、「真実をめぐる戦い」でトランプ政権は最初から不利だよなあ。
 「民主主義」の危機はその通り。しかし、ポスト冷戦時代の基幹イデオロギーたる、国民主権・文化的多元主義人道主義そのものが、もはや崩壊に瀕している状況だしなあ。「建前」が崩壊して、露骨な金と力の時代になっていく時代なのかもなあ。ヨーロッパでも、トランプとたいして変わらない連中が台頭しつつあるし、日本なんか最初からアレだし…

覇権国下りた米国がもたらす手本なき世界 トランプの決断を促した3つの痛打とは | JBpress(日本ビジネスプレス)

 なんというか、典型的な本を読まない人の世界観だな、トランプの言動。
 アメリカの繁栄と力の源泉が、他国に介入し、相手の制度を有利にして、各種のアガリを得ることなのにな。それを「米国が世界を手助けし過ぎた」って。
 もっとも、人事なんかを見る限り、明確に「降りた」かどうか怪しい気がする。富豪連にしても、その資産の源泉は、アメリカの覇権にあるわけだし。そう簡単に撤退しないだろう。軍事力強化も、「相手」が必要なんだし。

トランプのやっていることは、まさに後醍醐天皇だ 特権階級の巣窟と化した「ワシントン」の解体を目指す | JBpress(日本ビジネスプレス)

 トランプが集めた連中も、富豪と軍人というエスタブリッシュメントなのだがね。守旧的エスタブリッシュメントが、新興エリートを排除しようとしている動きと読むことができそうだな。シンクタンクロビイストを排除という動きが。

 この点に関し、安井明彦氏(みずほ総合研究所政策調査部長)は、ブッシュ政権対テロ戦争、続くオバマ政権の金融政策と医療制度改革による政府組織と予算の拡充が、ワシントンを一気に全米一の「上流階級」の街にしたと指摘している(「米国で問われる政府のマネジメント―『決められない政治』の先にあるもの―」、みずほ総合研究所『今月の視点』2013年12月1日)。


トランプの人種差別政策が日本に向けられる日 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 いや、本当にありえそうだよなあ。「名誉白人」扱いされて当然と思っているのは、日本人だけだろうし。人種差別的態度を公にすることが「解禁」されてしまった以上、制度的にはどうかしらないが、一般市民レベルで絡まれる事例は多くなるだろうなあ。
 もともと、「対テロ戦争」で、アメリカ入国がめんどくさくなったと言われていた訳だが。もっと、入国しにくくなるわけか。

米大統領令による入国禁止措置についてのロイター世論調査の詳細 - HIROKIM BLOG / 望月優大の日記

 まあ、見事に真っ二つに割れているな。で、やることなすこと感情的な反発を受けるとなると、何もできないんじゃないかね。まあ、トランプの視点からすれば、「抵抗勢力で改革が進まない」と強弁し続けることができるとも言えるが…
 派手だけど実効性のある対策とはいえないと、共和党支持者の中でも、そういう感覚があると。
 実際のところ、サウジ人やアフガン人が素通りなら、実効性はないよなあ。あと、むしろ、もともとアメリカ国内でテロを行ってきた白人系のミリシアが妙な動きをしそうな空気になっているのではなかろうか。カナダでの事件だけど、モスク襲撃なんか、そういう動きだろう。
 アメリカは死んだと思ったけど、よく考えると排日移民法とか、中国人移民排除とか、いろいろとアメリカもやらかしているしなあ。

アメリカ入国制限・禁止措置に関するざっくりまとめ - Togetterまとめ

 なんか、アメリカが中国みたいになってきているな…
 思想をチェックするとか、「自由の国」ねえ。
 有能な人材をちょっぱって来るいいチャンスではあるのだが、現状の日本では無理だろうな。そもそも、日本では高等教育が死にかけているし。つーか、日本の難民排除っぷりは、トランプを非難できないんだよなあ。


 そろそろ、ツイッターは、トランプのアカウントを削除すべきじゃね…

バノン首席戦略官、NSCの常任メンバーに トランプ氏が大統領令 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

トランプ政権、バノン戦略官を安全保障会議常任に 統合参謀本部議長は除外 - BBCニュース
 なんかすげーな。
 オルタナ・ファクトで、核兵器のボタン持った政権が運営されるのか。怖すぎる。嘘ニュースサイト運営者を中枢に持ってきて、国家情報長官と統合参謀本部議長を排除。

トランプ政権の中東敵視政策に、日本が果たせる役割 | 酒井啓子 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 まあ、無理なんじゃないかなあ。現状の日本の荒廃ぶりを考えると。
 教育を通じた交流の効果の大きさとか、そもそも情報収集のためにも人の行き来を開いて置く必要があると。

 特に和解の場、学術交流の場を提供することは、教育と研究の国際化を目指す日本の政策に、合致する。9.11後、ヨーロッパの多くの国では環地中海対話促進のプロジェクトが多数企画、実施された。9.11以降、ドイツやスペイン、イタリアなど、従来必ずしも現代中東研究の中心とは言えなかった国々で、見る見るうちに中東研究者が育っていった。EUの文化・教育政策の成果である。だが最近聞くと、中東研究への資金援助が減っているという。EUの財政難が原因らしい。

 へえ。

トランプ、想像を絶する環境敵視政策が始まった──排ガス規制の米EPAに予算削減要求とかん口令 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 うわあ。
 これ、どうすんだ。つーか、このままいくと、アメ車はますますガラパゴス化するんじゃね。途上国並みの車しか作れなくなる。

科学を黙らせる努力、やりたいようにやってみれば! | TechCrunch Japan

 中国なんかを見ていると、そう楽観的にはなれないが。
 まあ、アメリカが気候変動に関する情報を失えば、国際的取り決めや環境対策ビジネスで、他の国が優位に立てるようになるかもな。
 しかしまあ、「自由の国」で露骨な検閲が行われるようになっているというのが。

あらためて問うヒラリーの敗因 ?民主党が抱える「深刻なジレンマ」(渡辺 将人) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

 様々な階層のパッチワークか。中絶やLGBTカトリックの支持を失った。ブレーン集団内での分裂など。

やはり暴走、「オルタナ右翼」が牛耳るトランプ政権 正確な情報分析は二の次?政治の経験と知識に乏しいトランプ | JBpress(日本ビジネスプレス)

 オルタナ右翼とはぐれ軍人が安全保障政策を主導ね…
 アメリカの諜報系組織が急激な拡大で効率の低下を来たしている状況はともかくとして、思い込みで分析を否定して情報コミュニティから干された人物を、中枢に持ってくるということは、情報組織を使わないって宣言だよなあ。オルタナ・ファクトで意思決定をすると。
 情報組織の士気や機能低下は、長期的に悪影響を及ぼしそうだけど。

「テロリストの入国からアメリカを守る」トランプ大統領令の何が問題か? ? The Long Wait

 「テロリストの入国を防ぐ」という観点からすると、サウジ、パキスタン、アフガン、エジプトあたりが外れている時点で、完全にザルなんだよな。あと、イスラム・テロの最大の脅威は、ホームグロウン・テロに移っているのが全く理解できていない。
 つーか、トランプ政権下では、白人の人種差別犯罪の方が深刻になりそうだよなあ。


 大統領令の基礎となる法は存在する。現在、アメリカに居住している当該国出身者に甚大な影響を与える。事実上、出国不可能で学問やビジネスに悪影響を与える。外国人は空気次第でなにをされるかわからない状況に陥っていると。
 ぶっちゃけ、他所から人材をちょっぱって成り立っている国なのに、こういうことして長期的に悪影響は大きそうだよなあ。そもそも、対テロ戦争で、アメリカ入国はめんどくさくなっているわけで。