「世界発2014:ナイルパーチ激減:アフリカ・ビクトリア湖の巨大魚」『朝日新聞』2014/10/28

 タンザニアウガンダケニアにまたがる湖、ヴィクトリア湖で、輸出用の巨大魚ナイルパーチの漁獲量が激減しているという話。もともと、多様な固有種が存在する湖に、商業用に大型肉食魚ナイルパーチを放流。結果として、400種いた固有種は半減。ヴィクトリア湖の悲劇とか、ダーウィンの悪夢とか言われる惨状に。
 固有種は藻やプランクトンを食べていたが、その減少によって、藻やプランクトンが異常繁殖。湖全体が酸欠になりつつある。
 さらに、その商業用に導入されたナイルパーチが、生存環境の悪化と乱獲で激減中。3-5割減少というは、破滅的な状況。商業的開発の悪い見本そのものだな。小型の魚ばかりになって、それを根こそぎ奪い合う状況。100キロの大物を揚げられれば、3ヶ月暮らしていけるそうで、一攫千金を狙った人口流入。それにともなう、資源への過剰圧力と水質汚染。さらに、切り身などに加工する水産工場も、稼働率が激減。地域経済そのものが、立ち行かなくなりつつある。
 ナイルパーチ白身魚の切り身といった形で、日本に入っているそうだ。アオコが繁茂しまくる水質が汚濁された湖の肉食魚とか、食べて大丈夫なのかねえ…


 この記事を書いた三浦英之記者のレポート→ビクトリア湖の汚染とナイルパーチ漁獲量の激減 - Togetter
 上陸が許可されなかったミギンゴ島の写真多数。不毛の島に突然出現したナイルパーチ千軒。迷路状の空間。
 あとは、他の土地のレポートなど。ウガンダケニアの水産当局の、汚染データの開示拒否が怖いな。商品の汚染を分析したら、恐ろしいことになりそう。というか、こんな湖の魚は食べたくない…
 2013年に、ヴィクトリア湖から輸入されたナイルパーチは1800トン。どういう流通経路で、消費者の口に入ってるんだか。
 在来種の養殖・再導入でもするしかないんじゃ。


ヴィクトリア湖 - Wikipedia 植民地政府の役人の仕業か…
世界最悪の外来種問題 『ビクトリア湖の悲劇』 - 外来魚ひとりがたり
ダーウィンの悪夢 Story
日々の雑感 87:映画『ダーウィンの悪夢』が問いかけるもの(1):土井敏邦 Webコラム
アフリカ3大湖~ビクトリア湖の悲劇 ( 観賞魚、水草 ) - サボタニとイタグレと何とか - Yahoo!ブログ
美味しい魚の不都合な真実。 マラウイ湖の魚は大洋の夢を見るか(矢倉隊員は帰国しました。) JICAボランティアの世界日記