「米国型皆保険を分析、紹介:県立大の天野拓准教授:「オバマの医療改革」出版」

 県立大総合管理学部の天野拓准教授(43)が米国の医療事情を解説した「オバマの医療改革―国民皆保険制度への苦闘」を出版した。オバマ政権による医療制度改革の狙いなどを詳しく紹介している。
 天野准教授は東京都出身。慶応大大学院法学研究科を修了後、慶大非常勤講師などを経て2009年10月から現職。政治学が専門で、米国の医療制度を中心に研究してきた。
 オバマケアと呼ばれる医療改革は10年3月に導入が決まり、14年1月に本格スタートした。4861万人ともいわれる無保険者が民間保険に加入しやすいように、政府が補助金を出す仕組みをつくった。さらに低所得者向けの公的医療保険「メディケイド」の受給資格を拡大したのがポイントという。
 天野准教授は「日本や欧州のような皆保険制度とは異なるが、改革が成功すれば無保険者を減らすことにつながる」と評価。一方で、公的保険よりも民間保険を主体とした制度のため、「約220
0万人は無保険者として取り残される。財政危機の中で税金を使うことへの反対意見も強く、(米国型の)皆保険制度への苦闘はこれから始まる」と予測する。
 米国の医療制度を踏まえ、「保険証1枚で医療が受けられる日本は非常に良い制度だと思う」と天野准教授。ただ、無職者や非正規雇用の人など、保険料を払いたくても払えない人が増えていることを指摘。「無保険状態の人は医療機関を受診しにくくなり、健康状態が悪化しやすい。今後の対策が求められる」と話した。
 「オバマの医療改革」は勁草書房、3990円。  (田中祥三)

 オバマケアの解説本。医療保険制度への反対の強さは理解を絶するよなあ。アメリカ人は分かる気がしない。